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住まいのレポート Vol.29 子ども部屋のつくり方

何歳になったら子どもに個室を与えたらよいのでしょう? これは子どもをもつ親にとって、いつの時代にも頭を悩ませる問題かもしれません。そこで今回は、子育てに詳しい編集者&ライターの別当律子さんに、子ども部屋をつくるときの考え方や、子どもとの接し方についてお聞きします。

アロマセラピスト 原田裕子さん

別当律子さん

編集グループ・アミーカ代表。雑誌、絵本、単行本などを中心に、広く子育て情報を発信する編集者&ライター。インターネットの生活総合情報サイト、オールアバウトの「子供と遊ぶ・学ぶ」ガイドを担当。一児の母。子ども向けのトレンド情報や遊び場情報、鉄道情報を手がけるほか、育児雑誌や保育雑誌に記事を執筆。

All about「子供と遊ぶ・学ぶ」 >> http://allabout.co.jp/gm/gt/1526/

【ポイント1】 子ども部屋は何歳から必要?

子ども部屋とは、子どもが優先して使えるスペースだと考えればよいのです
子ども専用のスペースには自分のものを管理できる収納があるとよいでしょう

子どもが何歳だからまだ早い、いくつになったら絶対に必要ということはないと思います。例えばリビングが家族のためのスペースであり、ダイニングが食事のためのスペースであるように、子ども部屋は決して子どものための独立王国ではなく、子どもが優先して使えるコミュニケーションスペース程度に考えればいいと、体験的に考えているからです。

子どもの遊びやスペースについて、これまでほかの専門家の方々にもお話を伺ってきましたが、その中で印象的だったのは「子どもが納得いくまで遊ばせる」という考え方でした。

子ども部屋は何歳から必要?

たとえば、子どもがダイニングでブロック遊びをしていれば、夕食の支度をするなど、ダイニングを使用する時間がくれば、当然、子どもの遊びの進行具合にかかわらず、片づけてしまわなければなりません。しかし、子ども部屋で遊ばせていれば、家族の都合で子どもの遊びを中断させずにすみ、「子どもが納得いくまで遊ばせられる」わけです。

一方で、子どもが大きくなったから、勉強のためにも絶対に子ども部屋が必要かといえば、そうとも限りません。「勉強ができる子どもは、リビングやダイニングのテーブルで、親の目が届く範囲で勉強をしている子どもが多い」というデータを発表した専門家がいるほどです。

子ども部屋は何歳から必要?

大切なのは、子どものためのスペースがあることです。子ども専用のスペースをつくることができれば、いくつからでも活用できる一方、なければないなりの工夫でしのぐこともできるというわけです。

【ポイント2】 子ども部屋の必要条件は?

学習机などは必要になったときにふさわしいものを購入するとよいでしょう
写真のように透過性のある扉にしておけば子どもの帰宅を把握できます

「子ども部屋の条件」というと、「広さは? 机や家具は? インテリアは子ども向けがよい? それとも…」などと考えがちですが、必要なのは子どものためのスペースをつくることです。ですから、学習机を例にとると、子ども自身、学習机が必要になってから、その時にふさわしいデザインのものを購入するのが、実は一番現実的だと思います。

小学校入学と同時にきちんと学習机に向かって勉強することはまれですし、いわゆるキャラクターものを好む時期は意外と短く、小学校低学年くらいまでです。

子ども部屋の必要条件は?

家具やインテリアよりも大切なのは、「子ども部屋を孤立化させない」という点。ひきこもりなどが社会問題としてクローズアップされてきた頃から、子ども部屋のあり方に関しても、専門家の意見が多く聞かれるようになってきました。その中で共通しているのが「子ども部屋を孤立化させない」ことなのです。

例えば、玄関から家族の共有スペースを通らずに子ども部屋に入れてしまうと、家族は子どもが帰宅したことすら気づかず、知らぬ間に家族と子どもとの距離が生まれてきやすいのです。最近の戸建て住宅では、子ども部屋に扉を設けず、たとえ子ども部屋にいるときでも親子互いに存在が伝わり、声が届くような間取りに注目が集まっているようです。マンションの場合は、難しいかもしれませんが、子ども部屋の扉に鍵を設けずいつも開け放しておく、リビングの中の気配がわかるような扉にする、などの工夫をすればよいかもしれません。

子ども部屋の必要条件は?

また、子ども部屋を快適にしすぎないというのも、一つのポイントだと考えます。テレビからパソコンからなんでもそろっていれば、大人だってその部屋から出たくなくなります。とくにパソコンなどは、やはり便利である反面、危険な落とし穴にもなりますから、家族共有スペースに設置するなどの配慮も必要だと考えます。

【ポイント3】 子ども部屋は1人に1部屋?

子どもが複数いる場合に悩むのが、子ども部屋を同時に与えるか、年齢や進学などによって別々に与えるかということです。

これは、子ども同士の年齢差や性差などによって、違いがあると思います。現実問題をいえば、転居や新築を機に子ども部屋を与えるということが多く、子供が2人の場合は、一つのスペースを二つに区切って使うようにすることが多いと思うので、必然的に「同時に」となることが多いように思います。また、年齢差があまりないケースでは、同時の方がいいと思います。

子ども部屋は1人に1部屋?

子ども部屋を与えても、実際にそれを活用するかどうかは子どもにもよるので、与える年齢自体には、それほどこだわる必要はないのではないでしようか。

子ども部屋として使用できる部屋がひと部屋しかないが、子どもが複数(2人、あるいは3人)いる場合は、内部を引き戸やパーテーションで仕切るなど、ひと部屋をみんなでシェアするのもひとつの方法です。今は間仕切り用の家具などもいいものがでていますし、ロールスクリーンなどで仕切るといった工夫もできると思います。

子ども部屋は1人に1部屋?

5人の子どもを持つ私の友人の場合は、現在、上の2人が個室、中間の2人が勉強部屋を共有、下の1人は園児なので特別なスペースはなく、大学生になったら上から抜けていって、繰り上がるシステムだそうです。こういった事例を聞くと、家族が多いほうが、子どもの自立が早くて、いいような気もしますね。

【ポイント4】 子ども部屋に本当に必要なものは?

子どもが孤立化せず、家族や友人と楽しく過ごせることを重視したいものです
写真のようなダイニングテーブルなら宿題や会話もしやすいのではないでしょうか

子ども部屋に本当に必要なものをお話する前に、わが家の場合を紹介しましょう。

わが家では、子どもが2歳半の頃に戸建を新築したため、その頃から子ども部屋はあります。しかし、実は高校生になった今でも、子ども部屋は単なる「寝室」「荷物部屋」に過ぎず、正直、なくてもあまり支障はありません。子どもの性格や、小さい頃からの子ども部屋の使い方にもよるのでしょうが、勉強も普段はリビングで、試験勉強などで集中したいときのみ、自室で行っています。

子ども部屋に本当に必要なものは?

実は、子どもの友人が遊びにきても、子ども部屋には誰ひとり入りません。共有スペースとして、掘りごたつのある和室があるのですが、子どもたちが小学校の頃から、みんな自然とそこに集まっています。部屋に入るなり「あ〜ここは落ち着く!」と叫んだ小学4年生や、「今年の大みそかは、ここで除夜の鐘を聞いて過ごしたい」とつぶやく高校生がいるなど、なぜかとても好評で、かなりの数の雑魚寝も可能です。

大切なのは、子どもが何歳であっても、子どもは個室でひとりで過ごすのではなく、ほかに家族や友人と心安らかに過ごせる空間があること。これから子ども部屋を与える場合は、そうした機能をもった空間を併せて考えてあげるといいのではないでしょうか。

子ども部屋に本当に必要なものは?

また、欧米では、「独立した子ども部屋=子どもの寝室」であることが多いのに比べて、日本では、家族一緒に一つの部屋で寝ることに、あまり違和感がないようです。そこで、子供が大きくなり家族一緒に一つの部屋で就寝することの限界を感じたときに、子ども部屋のことについて真剣に対応する場合が多いようです。子ども部屋について考えるときは、家族全体の就寝スタイルを併せて考えるようにしたいものです。

今回のレポートで、意外だったポイントが「子ども部屋を快適にしすぎない」というもの。また、成長に合わせてそれぞれのステージに合ったスペースを提供することが肝心といった、空間の広さやインテリアなど、スペックに固執しない考え方も新鮮でした。子どもとのコミュニケーションを大切にできれば、どんな間取りでも、理想の子ども部屋ができるということかもしれませんね。