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住まいのレポート Vol.9

住まいに美しい彩りを添える花。ぜひ、自分の住まいにも採り入れたいものですが、どのように飾ったらよいかわからない?維持管理にも手間がかかりそうなどど考えてしまいます。そこで、今回は、日比谷花壇のシニアデザイナー小林美枝子さんに、部屋を美しく飾るだけでなく、簡単に飾れて長持ちするフラワーアレンジメントの方法についてお話していただきました。
日比谷花壇シニアデザイナー 小林美枝子

小林美枝子 プロフィール

日比谷花壇シニアデザイナー

都内一流ホテルでの装花を経験後、ヨーロッパのフローリストに学び、現在、日比谷花壇の社内技術教育とエイチケイプラスモードブランドのデザインを手がけるほか、有名百貨店のポスター、パンフレット、新聞広告などのメインビジュアル用装花を制作。

ダイニングは低め、リビングは大きく華やかに

リビングには高さのある花器を使用し、色とりどりの花を立体的に飾るのも楽しいものです

リビングには高さのある花器を使用し、色とりどりの花を立体的に飾るのも楽しいものです

リビング・ダイニングは、住まいの中でも家族が一番長く過ごす場所でもあり、お客様がいらっしゃった時におもてなしする場所でもあります。そんな暮らしのメインとなる場所を花で飾ることで、日々の生活に彩りを添え、華やいだ雰囲気にしてくれる効果は大きいものがあります。ただ、リビング・ダイニングで花を楽しむ場合にも、ちょっとしたポイントがあります。

ダイニングを飾る花のポイント
ダイニング・テーブルの上に大きく背の高い花を置くと、食べ物を置くのに邪魔になるだけでなく、食卓についた人の視線を遮り、お互いの顔がよく見えなくなるなど、楽しい食事の妨げになったりします。また、花が上にあると、席をたったり配膳する時に触れてしまい、花びらや花粉が落ちたりすることもあります。食に集中するためにも、花は高い位置ではなく、なるべく低く飾りましょう。また、百合のような香りの強い花も、食を妨げることがあるのでお勧めできません。

リビングを飾る花のポイント
リビングは、住まいの中で一番広い空間であるうえテーブルやソファが低いことも多いので、大きく背の高い花を飾るのにちょうどよい空間です。お客様をお招きする際のアイキャッチとして、床に直に花器を置いて、高さのある花やボリュームのある花を飾るのもよいでしょう。ただし、小さな子供がいるお宅は、花器が転倒する危険もあるので、注意が必要です。

和室の基本は生け花、遊び心で和モダン

純和風のものでなくても、和を感じさせるイメージの花器なら、和室に合います

純和風のものでなくても、和を感じさせるイメージの花器なら、和室に合います

和室に花を飾るポイントは、生け花のセオリー通りに飾ること。歴史と伝統に裏打ちされた生け花は、和室を花で飾る場合の王道といってよい方法です。ただ、本格的な床の間付きの和室のある家は、現代では少なくなりました。また、マンションの和室はリビング・ダイニングとひと続きになっていることが多いはずです。このような和室は、もう一つのポイントである「和モダン」で、花を飾りましょう。

シンプルな器で和モダン
「和モダン」といっても難しいことはありません。例えば、花器に和をイメージさせるものを選ぶことも方法のひとつです。花器は、真四角や円筒形など、幾何学的でシンプルなフォルムのものや、黒や赤など漆の質感を感じさせるタイプのものを選ぶとよいでしょう。重箱や茶器、骨董の器など、花器でなくても和を感じさせるアイテムを遊び心で利用するのも効果的です。

和室は小さく低く飾る
和室に花を飾る基本は、あまり大きく飾らず、小さく低く飾ることです。高い位置に飾りたい場合には、壁に掛けるという方法もありますが、その場合も、一輪程度に留めておくのがよいでしょう。また、和室の床は畳なので、水を入れた花器を直に置くのはあまりお勧めできません。その場合、板などを台として、その上に花器を置くと、見た目が安定して美しく見えます。

器や光、香りの演出で楽しむ玄関の花

花器を直に置くのは、視線が下がることのある玄関ならではの楽しみ方

花器を直に置くのは、視線が下がることのある玄関ならではの楽しみ方

毎日、家族が出入りしたり、お客様をお迎えしたりする玄関は、花を飾るのに最も効果的な場所かもしれません。飾るポイントは、人の視線を考えることです。

スペースとボリュームを考えて
例えば、玄関収納の上に花を飾る場合、高さのある花を飾ると、花を仰ぎ見るようになってしまいます。また、玄関収納の上は奥行きが無いことも多いので、スペースに合わせた花器を選び、コンパクトに飾ることも大切です。

床においてもOK
靴の脱ぎ履きで視線が床に向かいやすい玄関では、床に花を置くこともとても効果的です。花器は、金魚鉢などのガラスの器を選ぶと、水中にガラスのキューブやビー玉などを入れたり、スポット照明を当てたりなど、色々な演出が楽しめます。照明は花に直接当てるのではなく、ガラス花器に当てると、水のきらめきが床に映り、とてもキレイです。

香りを効果的に使う
玄関に飾る花に、百合やヒヤシンス、フリージアなど、香りのするものを選ぶと、お客様がいらっしゃった時など、入ってすぐに花のよい香りがして好印象がもたれます。毎日出入りする家族も、花の香りで気分がリフレッシュされたり、癒されたりするなどの効果が期待できます。

手軽に長く花を楽しむためのちょっとしたコツ

ピンクの針金に試験管を取付けた手づくりの花器。

ピンクの針金に試験管を取付けた手づくりの花器。アイデア次第でこんな楽しみ方もできます

飾った花を長持ちさせる方法は色々ありますが、基本は水切りです。買ってきたまま花瓶に入れ何もしないと、花はすぐにしおれてきます。シンクやボウルに水を張り、その中で茎をハサミで切れば、ほとんどの花は水が揚がり、長持ちします。

水をもたせるには
塩素系漂白剤を1〜2滴、水に入れると、花だけでなく水を長持ちさせることができます。花がダメになる主な原因は、花瓶の中のバクテリアや雑菌なのですが、塩素系漂白剤はそれらが水中で繁殖することを防ぐ効果があります。水をかえる手間も減り、数滴であれば植物にも問題はないので、花も長持ちします。

飾り方で長く楽しむ
最初はリビングに高く大きく飾ります。次に、水切りすることで花が短くなってきたらダイニングへ、さらに短くなったら玄関へと、だんだん短くなる花の長さに飾る場所を合わせることで、長く楽しめます。花が咲ききってしまったら、思いきって花首で切り、水を張った器に浮かべれば、さらに2〜3日は楽しめるでしょう。花の中心部が傷んできたら、残った花びらだけを浮かべてもキレイです。

要注意の組み合わせ
飾る花の組み合わせですが、基本的に、花の組み合わせに厳格なルールはありません。自分の好きな花を好きなように選んで楽しめばよいと思います。ただ、仏事のイメージがある、白、紫、黄色の組み合わせや、白いカーネーションは注意が必要かもしれません。また、香りの強い花同士を組み合わせることも、避けた方がよいでしょう。

花は部屋に彩りを添え、暮らしに潤いをもたらす効果がありますが、何となく難しいと感じていました。今回、小林さんの「自由に選んで」というアドバイスを聞いて、気軽に挑戦してみようという気分になりました。また、花を長持ちさせる方法や、水切りして短くなっていく切り花を、花びらになるまで楽しむというアイデアも参考になりました。

日比谷花壇

今回取材に協力いただいたお店紹介

日比谷花壇
http://www.hibiyakadan.com/umbrella/shop/shirokane/top.html