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(有)AAプランニング代表 青木恵美子さん
一級建築士、一級カラーコーディネーター(環境分野)。イギリスを代表する建築家リチャード・ロジャース ザハ・ハディッドのプロジェクトに参加した後、1992年AAプランニングを設立。自分らしく暮らすため“らしさのある暮らし”を学ぶ「暮らしのスタジオ+i.style 」を開設、暮らしを大切にデザインする建築家のギャラリー「AA STUDIO」主宰。鎌倉女子大学非常勤講師もつとめる。「窓からはじめる 住むだけでストレスが消える家」ほか、著書多数。


全く同じアイテム構成でも、色彩が異なると全く違う印象に。モノトーンでまとめるとシンプルでモダンな空間に、ブラウンや深いグリーンを使用すると落ち着いた雰囲気になります(画像:暮らしのスタジオ+i.style 作成)
まず、右のイラストを見ていただくと良くおわかりだと思いますが、同じ広さで同じ形の空間でも、色によって全く印象が異なります。つまり、色彩をどう選ぶかで、自分好みの空間をつくることは可能です。ただし、色彩だけを考えていては、思わぬ失敗をしてしまうこともあるのです。好みの部屋をイメージする時、ただ漠然と考えているだけではありませんか?私たち建築家がインテリアを計画する時には色のほかに、素材や形も同時に考えます。
同じ白でもつや消しの白と光沢のある白では印象が違うように、素材が変わると印象は大きく変わりますね。インテリアを考える場合も、色だけでなく、形や素材まで考えないとうまくいきません。特に、インテリアの場合は、選べるアイテムがかなり豊富です。そこで重要になるのが色、素材、形、つまりC(カラー、色)、M (マテリアル、素材)、F(フォルム、形)のバランスなのです。
例えば、部屋をスッキリとした空間にしたいのなら、白や明るい色や素材を使えば良いわけですが、同時に、装飾の多い家具や複雑な形の家具を選ばないことも大切です。色だけに着目するのではなく、C、M、Fのバランスを考慮してインテリアを考えましょう。

色のイメージとインテリアスタイルをリンクさせたカラーチャート。同じベーシックモダンのモノトーンでも白に近ければコンテンポラリーなイメージに、黒に近づけばトラディショナルな雰囲気になります(画像:暮らしのスタジオ+i.style 作成)
C、M、Fのバランスを考えた上で、イメージ通りの部屋をつくるにはどうしたら良いのでしょう?
マンションの場合、要素が少なくシンプルな空間、つまりモダンな部屋が多いと思います。そこに、自分のイメージする要素を組み合わせていけば、好みの空間がつくれます。スッキリとした空間にしたければ、家具などのアイテム数を絞り、色は白や黒などのモノトーンを中心に選びます。クラシックな雰囲気にしたいのなら、重厚なデザインで濃いブラウンなどの暗めの色中心の家具や敷物を採用するとよいでしょう。
色にはそれぞれイメージがあるので、好みのイメージにあう色を採り入れることで、部屋をそのイメージにすることができます。詳しくはカラーチャートを見ていただくとして、例えば、同系色でも明度や彩度によって雰囲気が変わります。同じ茶系でも彩度が低いとクラシカルな雰囲気ですが、彩度が高くなるとよりナチュラルな雰囲気になるといった具合です。
つまり、自分好みの部屋を作るには、自分がどういうインテリアが好きなのか、どんな部屋に住みたいのか知ることが重要なのです。まずは、自分の理想のイメージを確認することから始めましょう。
理想の空間の漠然としたイメージはあっても、具体的なインテリア・アイテムにリンクさせることが難しい場合もあります。では、どうしたら自分の好みに沿ったアイテムを知ることができるのでしょう?
簡単な方法は、インテリア雑誌などから好きな写真を切り抜いて、大きめの紙に貼り付けてコラージュしてみること。こうすると、自分の好みの傾向がひと目でわかり、イメージしやすくなります。そこから、モダンやクラシックであったり、あるいはナチュラルといった、インテリアを決定づけるキーワードを見つけられるはずです。
ご夫婦で好みが異なる場合にも、この方法は有効です。お互いのイメージを写真ではっきりさせることで、歩み寄るポイントを見つけたり、あるいは「この部分は譲れないけれど、この部分は、あなたに任せる」といったように、取捨選択しやすくもなるからです。
センスよくインテリアをまとめるには注意点があります。
1つめの注意点は、ひとつの部屋にいくつものスタイルを混ぜないこと。例えば、ナチュラル+モダン+アジアンテイストのように、同じ空間に組み合わせるスタイルの数は最大で3つまでがよいところではないでしょうか。多数のスタイルを組み合わせると、過剰なインテリアになり、自分らしいステキなインテリアにならず、ごちゃごちゃになる恐れがあります。
2つめの注意点は、連続した空間はできるだけ同じスタイルで統一すること。リビング・ダイニングとキッチンなど、ひと続きになった空間を異なるスタイルにすると、まとまりのないインテリアが広がることになります。やはり、空間の連続性を考えるべきでしょう。
大掛かりな工事をするつもりはないけれど、部屋のイメージを変えたいというのであれば、壁一面だけを変えるというのがおすすめです。また簡単なのは、大きめのタペストリーや布を掛けるという方法もあります。どんな色、素材、テイストのものを選ぶかで部屋のイメージも簡単に変化します。また、カーテンやテーブルクロス、クッションなどのファブリックを一新すると、部屋の印象をガラリと変えることができます。


























